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導入
どうも、花森ヒロシです。
ちょうど統計解析や視覚化に特化しているプログラミング言語の『R言語』をかじる機会に恵まれ、面白いなと思い、「これを使って何かシミュレーションをしてみたいな」と思ったのがまず第一のきっかけでした。
第二のきっかけは、趣味の投資で暴落時に不安になり売ってしまうなどの判断ミスをしないようにしていきたいと思ったことがあります。
なので、実際に私が利用させてもらっている投資信託の成績と過去運用成績から導いた平均・標準偏差から『R言語』を用いてモンテカルロシミュレーションを行い、得られたデータから実際の運用中成績と比較して予測ができているか確認することで、判断材料にできればと思いました。
そして、プログラミング言語に触れているとHTMLやCSSで書いてみるのも面白そうだと感じたので、せっかくならブログを書いてみたいと思ったので今に至ります(笑)
長くなりましたが、以上を導入とさせてもらいます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)について
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、日本の投資信託であり、グローバルな株式市場全体に幅広く投資することを目的としています。以下はその特徴や重要なポイントをまとめたものです。
運用目的eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の主な目的は、世界中の主要な株式市場に分散投資することによって、投資家にリスクを最小限に抑えつつ、世界経済の成長に参加する機会を提供することです。
ポートフォリオの構成この投資信託は、世界中の株式市場に広く分散したポートフォリオを持ちます。主要な地域や国の企業に投資することで、リスクを分散し、ポートフォリオの安定性を確保します。
低コスト“Slim”という名前が示すように、この投資信託は低コストで運用されています。低コストで運用されることで、投資家のリターンが最大化されます。
リスクとリターンeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、株式市場全体に投資するため、市場全体の動向に応じてリスクやリターンが変動します。ただし、世界的に分散されたポートフォリオを持つことで、特定の地域やセクターのリスクを軽減する効果があります。
運用戦略この投資信託の運用戦略は、定期的なリバランスとポートフォリオの最適化に基づいています。市場状況や経済の変化に応じて、ポートフォリオが調整されます。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、世界経済全体の成長に参加するための手段として、日本の投資家に人気があります。しかし、投資を行う前に、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、適切な投資先を選択することが重要です。
方法
SBI証券さんの提供される (使用データ 2018/10/31 ~2023-12-21 )
月末の日付と終値だけのデータを「R」で抽出してデータフレームを作成。 月末の終値から、前月比率(n=62)を算出し計算に用いる。
算出方法やそもそもモンテカルロシミュレーションしても差し支えないのか正規性をみなければならないのですが、基本的な投資信託は正規性があるようです。何かありましたらご指摘をいただければと思います。
Rを使って、毎月の実際の投資額を月末に円で投資したとして、算出した平均リターン、平均標準偏差から正規乱数を生成、毎月、乱数を加味して翌月も乱数を加味、実際に投資した経過月数分を20000回シミュレーションを行い得られたデータを並べ、上から2.5%、25%、50%、75%、97.5%の地点でのデータと投資しなかった場合の貯金の累積額、時価評価額の描画する。経時データとして表も作成する。
また、最新月における成績のシミュレーション分布と実データの位置をヒストグラムにより描画する。
結果
Fig.1
Fig.1の説明 Fig.1 は、eMAXIS Slim 全世界株式の約5年間のデータから算出した平均リターン15.16536%、年間標準偏差16.92108%の正規乱数により変動を発生させ、実際に投資した期間まで毎月の実投資額で20000回シミュレーションをした結果から、パーセンタイルを算出し併記したも。縦軸の金額は$、横軸の経過月数は投資開始時を0として経過した月数を表す。Q975は97.5パーセンタイル、Q75は75パーセンタイル、Q50は50パーセンタイル、Q25は25パーセンタイル、Q025は2.5パーセンタイル、投資累計額は投資開始時点からの最新月までの合計投資額、時価評価額は当該月の時価評価、投資成績のようなものをそれぞれ表す。
シミュレーション結果&実データ表 | |||||||
金額単位:万円 | |||||||
経過月数 | 時価評価額 | 投資累計額 | Q025 | Q25 | Q50 | Q75 | Q975 |
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Fig.2 は Fig.1 のデータを数値化したもの。実際の時価総額とシミュレーション結果から算出したパーセンタイル値を併記した時系列データ。
Fig.3の説明 Fig.3、2007-03-15 ~2021-07-30のデータから算出した平均リターン(μ)、平均リスク(σ)を月間値に直したものから理論変動幅として算出しています。幅は月間平均μ±(σ,2σ,3σ)の範囲をそれぞれ緑色の濃さで表しています。 一番濃いσ区間に約68%、2番目に濃い2σ区間に約95%、3番目に濃い3σ区間に約99%のデータが過去のデータではその区間に入っていたため、過去データ通りであれば今後も毎月そのような確率で入ると想定されます。投資した期間における実際の前月比での変動を青線で表しています。赤線はプラスマイナス0%の位置を示しています。
Fig.4の説明 Fig.4は過去データから算出した平均リターンとリスクから当月までのモンテカルロシミュレーションをした結果と当月実際の評価価額を重ねたもの。
Fig.5の説明 Fig.5、グラフの『%』はパーセンタイル値を意味する。実際に投資した金額を元に40年間ホールドし続けた場合を20000回シミュレーションしたもの。結果は実際の投資額とは異なるので要注意。
Fig.6
Fig.6の説明 Fig.6は40年後のシミュレーション最終成績の分布。
40年定額積立投資シミュレーション表 | ||||||||
金額単位:万円 | ||||||||
経過月数 | 投資累計額 | 95% | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% | 40% |
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Fig.7の説明 Fig.7は定額積立をし続けた40年後のシミュレーション最終成績から、どの程度の確率で投資金額が変動したか、また、その変動した結果の確率をみるもの。
例1)表の95%とはシミュレーション結果の5パーセンタイル値で95%の確率で40年後の結果が1368.7499万円以上
例2)50%とはシミュレーション結果の50パーセンタイル値で50%の確率で30年後の結果が7728.0709万円以上
考察
NISA口座で新たに始めた言わずと知れたオールカントリーですが、正確には月末に投資しているわけではないので、誤差もあります。また、毎月でシミュレーションしていますが、実際は実営業日に毎回乱数発生させるべきなのでしょうが、処理的に面倒なのと計算コストが高すぎるので・・・あまり変わらないだろうと想定してシミュレーションしている関係でさらに誤差も多々あるかもしれないですが・・・まあ、おおよそ同じだろうと考えておきます。ということで、よろしくお願いします。
現在は6ヶ月で5.6353万円( +11.2706%)となってます。
いままでのところ、Fig.1、Fig.2のモンテカルロシミュレーション結果の範囲からみると75パーセンタイルをぶっちぎってますね。だいぶ上がったようです。過去のデータから考えるととんでもなく値上がりしてますね。株高と円安の影響でしょうかね。
Fig.3で最初の逸脱を修正しました。基本的には過去データから算出した平均と標準偏差より約99%の過去データが3σ区間に入っていたわけですが、実際に、今回のデータも、まだその範囲内に入っているようです。まだ期間が短いのでそうなるのも納得ではあるんですが、とりあえず今のところ過去データの範疇のようです。現在は赤線(前月比プラスマイナス0%)を上回っているため、前月の評価価額と比較した時、プラスとなっています。
Fig.4では、シミュレーション結果から確率密度分布からも考えられるように、当月の評価価額は山のてっぺん付近に来てますね。確率分布的には出現しやすい位置にいるという感じですね。
Fig.5から、40年後のシミュレーション結果は下位5%(95%の確率)でも元本である投資累計額を上回っている。ただし、注意が必要なのは、大人気のこの投資信託とはいえども、40年後も同じリターン、リスクである保証がないという点だろうか。ほんと注意ですね。
Fig6から、形成された分布から考えると、元本割れの可能性は現状では低いだろうと考えられます。上位では1億円を超える場合も想定される点は夢がありますね。
Fig.7から、40年後のシミュレーション結果は95%の確率で1368.7499万円以上になっているということです。増加率は+2737.4998%と下位5%にしては増えています。 50%の確率で7728.0709万円以上になっているということです。
増加率は+15456.1418%と中央値ではかなり増えています。
そもそも、オールカントリーはS&P500よりも分散が効いているため、リスクが減ってくるかと思いきや、実は現状はS&P500 よりもリターンは少ないにも関わらず、リスクがより大きい状態だったりします。ただ、それは、現在の米国市場が世界で最も良いと言える状態が続いているためだと思われます。本投資信託は大半が米国市場であり、その米国市場が堅調な動きで伸び続けているためと思われます。
2023年の10~12月の米国実質GDPは前年同期比3%を超え、他の地域とは雲泥の差という人もいるくらいでした。(日本でも実質GDPは1%ほど、他の地域は1%にも届かない状態でした)。ということで米国は伸び続けている状態です。インフレが激しいことがあり、さすがに一時雲行きが怪しくなりそうな気もしますが、とはいえ、個人的な感想ですが、米国では株の恩恵で稼いだ人々の消費行動が経済を支えているということもあり、米国市場は低迷に突入することは現状では少なさそうですね。
その状況から、みてとれるのは米国だけは今後も右肩上がりの可能性が高いため、リターンは高くリスクも比較的少ないという、まさに理想的状態だったということでしょう。
ただ、数十年規模で考える時、米国だけではまずいという場面でNISAを解約してリバランスの必要になってしまうということもなく、資産を有効に活用できるのがオールカントリーの強みだと考えていますので、多少、リターンが低くても私はかまわないと思っています。
かといって、私の年齢的に債券やリートなどを入れるにはまだ早いかなと思っています。あくまで個人的な考えですが、資金効率を良くするには若いうちにはある程度、自分自身の許容範囲に合わせた適切なリスクは取るべきと私個人は考えています。そのため株式一本でしばらくはやってみようと思ってます。
今後もシミュレーション通り(範囲の上目で!)になると良いなと、期待します。
以上。