投資成績
Program version 2.5
2021/08/29 22:18
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導入
実際に自分が運用に使っている投資信託の成績が過去のデータから導いた数値からシミュレーションを行い。 範囲内に入っているかを確認し、今後の変動範囲を予想したいと思ったので、実際に「R」を使ってシミュレーションをしてみたいと思います。
方法
米国のSP500連動の上場投資信託SPYのデータをGoogleスプレッドシートのGoogle Finance関数を使って抽出。
(使用データ 1993-01-29 ~2021-08-27 )
月末の日付と終値だけのデータを「R」で抽出してデータフレームを作成。
月末の終値から、前月比率(n=343)を算出し計算に用いる。
平均値、標準偏差は前月比率の値343個の当該期間の最後の月末終値/当該期間の最初の月末終値から算出し正規乱数を生成、毎月、乱数を加味して翌月も乱数を加味、実際に投資した経過月数分を10000回シミュレーションを行い得られたデータを並べ、上から2.5%、25%、50%、75%、97.5%の地点でのデータと投資しなかった場合の貯金の累積額、時価評価額の描画する。経時データとして表も作成する。 また、最新月における成績のシミュレーション分布と実データの位置をヒストグラムにより描画する。
結果 Fig.1 Fig.1 は、SPYの約30年のデータから算出した平均リターン8.481591%、年間標準偏差14.5878の正規乱数により変動を発生させ、実データのある期間分を10000回シミュレーションをした結果から、パーセンタイルを算出し併記したもの。
Fig.2
シミュレーション結果&実データ表 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
金額単位:万円 | |||||||
経過月数 | 時価評価額 | 投資累計額 | Q025 | Q25 | Q50 | Q75 | Q975 |
1 | 40.1000 | 40.0 | 40.0000 | 40.0000 | 40.0000 | 40.0000 | 40.0000 |
2 | 41.2000 | 43.4 | 40.4041 | 42.5159 | 43.6380 | 44.7788 | 46.9373 |
3 | 49.0000 | 46.7 | 42.3986 | 45.5244 | 47.2162 | 48.9386 | 52.2985 |
4 | 57.3082 | 50.0 | 44.7216 | 48.6392 | 50.7943 | 53.0206 | 57.5286 |
5 | 62.6583 | 53.3 | 47.1756 | 51.7805 | 54.3504 | 57.0899 | 62.4909 |
6 | 65.9512 | 56.6 | 49.7639 | 55.0142 | 58.0651 | 61.2272 | 67.4009 |
7 | 71.9891 | 59.9 | 52.3897 | 58.2404 | 61.6616 | 65.2732 | 72.6566 |
8 | 76.9311 | 64.9 | 56.3802 | 63.2281 | 67.0104 | 71.0323 | 79.8180 |
9 | 81.5826 | 68.2 | 58.8985 | 66.5104 | 70.6537 | 75.3294 | 84.7937 |
Fig.2 は Fig.1 のデータを数値化したもの。
Fig.3
最新月における10000回シミュレーション分布と実データの位置をヒストグラムにより描画したもの。 ヒストグラムは平方根選択による階級わけをしたもの。確率密度分布はヒストグラムから算出している。 青線は実際の評価価額の位置を表している。
Fig.4
当月成績評価 | |
---|---|
[元本より増えた確率(%)] | [当月最終成績以上に増えた確率(%)] |
64.89 | 6.07 |
Fig.4は当月の運用成績の良し悪しを評価する項目。
[元本より増えた確率(%)]:当月までの累計投資額より増えた確率をシミュレーション結果から計算する。元本割れしない確率。
[当月最終成績以上に増えた確率(%)]:シミュレーションから計算した当月最終成績以上に増えた確率。当月成績の良し悪しを評価する。
Fig.5
翌月成績予測 | |
---|---|
[元本より増える確率(%)] | [前月最終成績以上に増える確率(%)] |
100 | 56.7 |
Fig.5は、翌月の運用成績の予測する項目。当月最終成績をもとに再計算していますので、計算方法が今までのFig.4までとは異なります。
[元本より増える確率(%)]:翌月投資予定額を含む累計投資額より増えた確率をシミュレーション結果から計算する。元本割れしない確率。
[当月最終成績以上に増えた確率(%)]:翌月投資予定額を含めたシミュレーションから計算した結果が、前月の最終成績以上に増える確率。
考察
この運用データは実際はSPYではなく、つみたてNISA口座でSBI-SBI・S&P500を運用しているのですが、目標のインデックスは同じなので、使用してます。
また、最初の2ヶ月の月末があいまいなので、正確な時価評価額ではないのですが、後半はほとんど正しいデータです。
ただ、正確には月末に投資しているわけではないので、誤差もあります。また、毎月でシミュレーションしていますが、実際は実営業日に毎回乱数発生させるべきなのでしょうが、やるのが面倒なので、あまり変わらないだろうと想定してシミュレーションしている関係で誤差も多々あるかもしれないですが、おおよそ同じだろうと考えておきます。
現在は9ヶ月で+13.3万円(+19%)となってます。 これは、かなり成績がいいです。今後もこうなるとは思えませんね。
良いところで買えていたということも考えられますので、絶対下がるとも言い切れませんが、ドルコスト平均法で積み立てをしている以上、よほど運が良くない限りは下がるかと思います。
最初に12月に40万円ぶち込んでいるので、それが良い効果を発揮してくれることを祈ります。
繰り返しになりますが、いままでのところ、Fig.1、Fig.2のシミュレーション結果の範囲からみると基本的に2.5%~97.5%内に収まっています。
ただ、それでもFig.3からもわかるようにシミュレーション結果よりも良い成績となっています。
長期間投資を行うことで、50%付近が一番起こりえるだろうなと思いますので、今後下がるのだろうなと思われますとはいえ、平均である50%は定期預金よりは良いはずなので、それでもいいわけです。
ただし、Fig.4からもわかるように10000回シミュレーション結果では当月の最終成績以上に増えていた可能性は約8%でした。シミュレーションが妥当だとすると、今月、これ以上に増えていた可能性はかなり低いと思います。
Fig.5は来月を予測したものですが、元本割れしない確率は脅威の100%。
当月が成績が良いので、計算上、元本を下回る可能性が下がったと思われます。
それは単純に長期投資をするほど、マイナスになる可能性が低くなるということにもつながるかなと思います。もちろん、このシミュレーション結果が妥当であれば、ですが・・・来月今月の成績よりも上がる可能性が60%というのは、計算上当たり前なので正直あまり参考にはなりませんね。
当月の最終成績を基準に正規乱数を発生させているためです。
米国株式は変動はあれども200年ほど右肩上がりなので、もしも50%より下がった時があれば、特定口座で追加で投資するのを繰り返すと、社会主義化や共産主義化しない限り、つまり資本主義が滅びない限りはこのシミュレーションの結果の97.5%よりも良くなるだろうと思われます。
いまのところ、圧倒的に国債や定期預金よりは良いです。 さらに今後を期待します。
以上。