趣味の投資とプログラミング備忘録

趣味の投資と独学の「R言語」によるプログラミングを混ぜて、なぜ投資が必要なのか、メモがてら書いていきたいと思います。投資もプログラミングも初心者という方の勉強の一助となれば幸いです。

生活習慣病によってかかる、おおよその金額について

生活習慣病によってかかる、おおよその金額について』

花森ヒロシ
2022/02/23 23:36

 

 

 

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導入

 

どうも、花森ヒロシです
ちょうど統計解析や視覚化に特化しているプログラミング言語の『R言語』をかじる機会に恵まれ、面白いなと思い、「これを使って何かシミュレーションをしてみたいな」と思ったのが投資ブログを始めてきっかけでした。そんな人が書いてるブログです。。。

 

いきなりですが、生活習慣病を知っていますか?

御存知のとおり、有名なところに高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などがあります。

 

例として、この3つ生活習慣病を罹患している人の推定人数を、以下の表にまとめました。

疾患名 推定人数(万人) 備考 出典
高血圧症 4300 ※未治療を含む 「1」
糖尿病 2000 ※予備群を含む 「2」
脂質異常症 220   「3」


出典:    

「1」:厚生労働省「平成29年度 特定健康診査・特定保健指導の実施状況」        
「2」:厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査」        
「3」:厚生労働省「平成29年患者調査」        

 

これだけでもすべて重複はしているとしても日本の全人口の1/3以上に匹敵しています。

実際には全部は重複しないでしょうし、それ以外の生活習慣病関連疾患にかかっている人も含めれば全人口の1/2は簡単に超えるかもしれません。

30代くらいまではほとんど患者がいないと推定するならば、40代以降の大半がこれに該当すると考えられます。

 

では、もしこの生活習慣病にかかったらどれくらいお金がかかるのでしょうか?

今回はそれについてみていきたいと思います。

 

そもそも医療費って、年間どのくらいかかってる?

 

令和元年のデータが最新でしたので、これで検証していきます。

 

令和元年 43.6兆円/年間医療費

医科計 32.5兆円
調剤計 7.7兆円
その他 3.4兆円

 

医科+調剤合計 40.2兆円

 

ということで、およそ40.2兆円が毎年かかっている医療費となりますね。

 

引用元

厚生労働省ホームページ 令和元年度 医療費の動向」について/令和元年度 医療費の動向
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13214.html) より

 

43兆円ってどんな額?

 

額が大きいことはわかりますが、これは一体どういう額なんでしょう?

兆単位といえば国家予算が思い浮かびましたのでそれを例に比較してみましょう。

 

 

財務省の令和元年度一般会計歳入・歳出決算の概要】によると、

 

令和元年の国家予算

歳入 約109兆円
歳出  約101兆円


でした。

国家予算・歳出の約101兆円からみると医療費約43兆円はその40%を超える額ということになりますね。

それくらいの額が自己負担と保険者、公費から出ているということです。

 

 

引用元

財務省 トップページ  財務省の政策  予算・決算  毎年度の予算・決算  決算  令和元年度決算  令和元年度一般会計歳入・歳出決算の概要(円グラフ)
(https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/account/fy2019/ke0211b.html) より

 

では、40兆円のうち、生活習慣病関連の費用はどのくらいを占めている?

 

健康保険組合連合会の平成30年度 生活習慣関連疾患医療費に関する調査】によると

令和元年の医科+調剤の合計医療費、約3兆5227 億円(1295組合)のうち、
生活習慣関連10疾患医療費は約4422億円で、全体の12.6%を占めている。
なお1295組合における年間平均加入者数は27194360人(約2700万人)

 

ということで、生活習慣病関連疾患だけで、およそ全体の40.2兆円のうち12.6%、

約5兆円が年間の生活習慣病関連疾患と考えられます。

 

引用元

健康保険組合連合会 HOME>統計データ>令和2年度>平成30年度 生活習慣関連疾患医療費に関する調査
(https://www.kenporen.com/toukei_data/index_r2.shtml) より

※この健保(1295組合)のデータを全保険者の日本全体に対する標本としてしまうには保険によっては年齢階級や職業など加入者属性が違うため、一概に同じ扱いとしていいか微妙かなと思ったりはしますが、資料があまりないので今回は健保の資料だけを利用します。

 

生活習慣病になる人が減れば、毎年、この5兆円から減っていくというところでしょうか。

 

生活習慣病関連疾患の内訳とその年間医療費は?

ではどういう疾患がどのくらいの金額を占めているのかを見ていきましょう。

 

Fig.1

令和元年:生活習慣病関連10疾患医療費合計額
(単位:億円) 医科入院合計額 医科入院外合計額 合計
高血圧性腎臓障害 0 0 0
動脈閉塞 0.576 0 0.576
肝機能障害 1.728 23.076 24.804
高尿酸血症 4.032 119.226 123.258
虚血性心疾患 163.584 96.15 259.734
脳血管障害 213.696 76.92 290.616
人工透析 52.992 630.744 683.736
高脂血症 13.824 699.972 713.796
高血圧症 54.144 973.038 1027.182
糖尿病 72 1223.028 1295.028

Fig.1は、
簡易的に、他疾患合計から算出して、比率0.1%未満を0円として計算している。健康保険組合連合会 HOME>統計データ>令和2年度>平成30年度 生活習慣関連疾患医療費に関する調査
(https://www.kenporen.com/toukei_data/index_r2.shtml) より

上記の当該ページにある、生活習慣病関連10疾患の比率と全医療費から金額を算出している。

 

Fig.2

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Fig.2は、Fig.1の表をグラフ化したもの。

 

Fig.2から考えると、入院外においては、糖尿病、高血圧症、高脂血症人工透析の順に医療費は高いですね。

 

入院では、脳血管障害、虚血性心疾患が特に医療費が高いようです。

 

入院外の方が総合してみると医療費は高いですね。

そもそも入院する人の数は外来で受診する人よりかは圧倒的に少ないだろうというのは感覚的にも想像ができると思います。

 

 

では、どれだけの疾患毎の件数割合を見てみましょう。

Fig.3

1000人当たりのレセプト件数 本人入院外 家族入院外 本人入院 家族入院
高血圧症 873.6 334.5 8.8 4.4
高脂血症 801 366.3 5 2.6
糖尿病 593.9 251 7 3.9
高尿酸血症 243.8 27 1.8 0.6
肝機能障害 133.5 47.3 0.4 0.2
虚血性心疾患 118.1 49.4 2.5 1
脳血管障害 41.7 21.9 2.1 1.4
人工透析 7.7 4 0.5 0.4
高血圧性腎臓障害 2.3 0.8 0 0
動脈閉塞 0.3 0.1 0 0

Fig.3は、健康保険組合連合会のデータより。入院と入院外、各、本人とその家族のレセプト件数の1000あたりの割合。

 

健康保険組合連合会のデータからでは実際にどの疾患が何人いたかというのがわからないため、1000人当たりに直したレセプト件数で相対的に各疾患の割合を見ています。

 

レセプトだと、1ヶ月に何回受診しても1件扱い、1~3ヶ月に1回しか受診しない場合でも1件、医科と調剤で患者によってはレセプト数が異なる可能性が考えられるので、相対的にみるとしても、多少のずれは存在すると考えられます。

あくまで、おおよその比率でみるものとします。

 

Fig.4

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Fig.4はFig.3をグラフ化したもの。

 

Fig.4より、入院外と入院では、1000人当たりのレセプト数は桁違いですね。100倍ほどの人数差が出ています。ここからも入院する人は外来受診と比べると少ないというのはこれでわかると思います。


また、入院も入院外もやはり有名な高血圧症、高脂血症 (脂質異常症)、糖尿病が特に多いということもわかると思います。

 

入院外も入院も、虚血性心疾患と脳血管障害のレセプト数は上位3疾患と比べると多くはないですが、入院ではFig.2からもわかる通り一番医療費がかかっているところです。

心筋梗塞心不全脳梗塞脳出血などがこれに当たりますね。

 

ちなみに、人工透析は入院と入院外ではレセフト数の割合は生活習慣病関連10疾患の中では下から数えたほうが早い位置にいますね。

つまり実際に罹患する人数自体は他と比べると少なめなのですが、総金額でみると入院外では上から4番、入院でも5位です。

この時点でも月間辺りの金額は高いだろうなということが推定できます。

 

 

以上より、虚血性心疾患や脳血管障害、人工透析は、罹患してしまうと非常にお金がかかる疾患というのがわかると思います。

 

また、扶養家族である方よりも、本人の方がレセプト数が多いことから、働いていることが生活習慣病のリスクになっているかもしれません。

ただし、人工透析については、本人の方がその家族よりもレセプト枚数が多くなるようです。

 

実際に一人当たり、どれくらいお金がかかるの?

全体の金額はわかったので、実際にそれぞれの疾患を罹患した場合、現状の診療報酬ではどれくらいがかかるのでしょうか?見ていきましょう。

 

Fig.5

月間保険料総額(円) 本人/医科入院外 家族/医科入院外 本人/医科入院 家族/医科入院
人工透析 382750.8 360826.2 451615.5 502336.8
脳血管障害 8199.8 8979.2 468048 382054.4
虚血性心疾患 4090.5 3757 380038.9 143009.4
動脈閉塞 945.2 569.6 148862.8 89741
高血圧性腎臓障害 926.4 1190 37439.5 68296.2
糖尿病 10770.5 8701 48336 43582
高血圧症 5786.4 5099.9 28922.4 27818.4
肝機能障害 912.6 885.3 18200.2 17686
高脂血症 4343.3 4274.2 12842.8 13642.2
高尿酸血症 3040.7 2109 11228.8 10334.2

Fig.5は、レセプト1件当たりの日数(日)と1日当たりの医療費(円)をかけ合わせて算出したもの。入院の場合には一時的で一生毎月かかる、ということはないですが、その時だけはかかる金額ですね。

入院外については、ほとんどの場合には一生必要になる場合もあります。

 

Fig.6

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Fig.6はFig.5をグラフにしたもの。

 

人工透析は、働いている本人のほうがレセプト枚数が多かったものの、本人よりもその家族の方が金額としてかかりやすいのは、仕事で受診できない場面が出ているのかもしれません。

それ以外は大概の場合には本人のほうが金額は多くなるようです。

 

考察

 

今回のグラフや表は、調剤の記述がない限りは医科だけ (病院だけ)とのことですので、ここに薬局での薬等の費用がかかると考えられます。

 

総合してみると、入院にかかる費用は本人も家族もさほど変わりませんね。

現診療報酬では、人工透析、脳血管障害、虚血性心疾患は3割負担だったとしても10万円を超えることがあります。人によっては高額療養費制度が使えるので負担はもう少し少なくできるかもしれません。ただし、高収入になると支払いの上限額も引き上げられますのでご注意を。

 

入院外においても、人工透析は3割負担だった場合でも月10万円を超えることになるため、高額療養費制度も使えますし、公費が効くので実質負担が0の場合もあります。

ただし、自分で部分的にも支払っても払わなくても年間で総額約500万円ほどを保険者と公費で賄っていることになりますので、保険制度の破綻した場合には・・・。

今回、人工透析について多く書いているのはこのためです。

 

医療がひっ迫し、自己負担が増えてしまった場合、金の切れ目が縁の切れ目ならぬ、金の切れ目が命の切れ目になりかねないからです。

 

また、人工透析は週3回前後、1回に付き数時間前後の治療を一生続けなければなりません。病院を行き来するための時間や交通費を考慮するとより金額は増えるでしょう。

腕も毎回注射針を長時間指し続けるので、酷く痕が残ります。

そして、辛いからといってやめてしまうと死の危険がすぐに訪れることになります。

 

そもそも、生活を変えなければなりませんので、生活の質は極めて低下すると思われます。

生活改善で予防できるのであれば、なるべく早く予防することをお勧めします。

 

 

それ以外の疾患に関しても、

例えば、糖尿病に40代に罹患し、90代まで生きた場合、約50年間治療が必要になります。

 

月間約1万円×12か月間×50年間=約600万円

3割負担として、約180万円が約50年間での自己負担金額となります。

 

これは医科だけとのことですので、ここに調剤費がかかると考えられます。

高額な薬であればこの倍以上の額を生涯で払うことになるでしょう。

また、交通費や移動・受診の待ち時間に費やす時間があることも忘れてはいけません。

 

あくまで平均ですしこれを大きく上回ることもあれば、下回ることもあるかもしれません。

ただ、他の疾患も罹患した場合には何倍にも費用が増えることもあります。

 

そして、入院するような状態にならない限りは、高額療養費の対象外であることが現状想定されます。高額療養費適用になったとしても、そもそも、払わないわけではないのです。

 

医療にかかる費用は、医療材料などがインフレしていることや賃金上昇などの背景を考えれば、今後どんどん下げることは難しいと考えられます。

 

自身の健康に気を使うことは、生涯費やす時間とお金に直結します。

健康であれば、生活の質を差がなければいけない場面は少なくなるはずです。

 

生活の質が大幅に下がることは想像もつかないような苦痛を伴うものです。

それが病気によってせざるを得ないのであればなおさら苦痛に拍車がかかるのではないでしょうか?

 

このブログ自体は普段は投資について書いているので、投資から飛んできている方もいるかもしれません。

 

投資でお金を増やすことはとても大事ですが、医療費という出費を調節できる可能性があるのですから、自らを労わってあげることは重要だと思います。

 

次回以降は、そもそもどうすれば予防できるのか?なども調べていきたいと思います。

 

以上。