ドル円から考える新NISAの投資タイミング!【年一括投資?月々投資?】
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結論
以前に書いたブログでは年一括の方が成績は良くなるだろうと考えていました。
他にも多くの方が年一括を進めていたように感じていました。
しかし、多くの人が投資するであろう、S&P500関連や全世界系の投資信託ではドル円が関係してしまいます。
円高が進行する可能性があるなら一括はむしろ不利と思われます。
それを考慮すると、月々のほうがリスク分散ができていてむしろ、利益が得られそうに思います。
東日本大震災の時の1ドル75円から考察
通常、国内で大規模な災害や問題が発生すると、その国の通貨が減価傾向になることが予想されることが一般的です。
なぜなら、災害が経済に大きな影響を与え、復興活動や経済の不安定性が通貨の価値を下げる可能性があるからです。
しかし、2011年の東日本大震災においては、逆に円高の傾向が見られました。これにはいくつかの理由が考えられます。
資金の帰国:
大規模な災害が発生すると、その国からの資金が海外へ流出することがあります。日本国内での震災や原発事故により、多くの日本企業が海外の事業から資金を呼び戻す動きが見られたため、円が強まったと考えられます。
リスク回避:
災害や不安定な状況が続くと、投資家はリスクを回避し、安全な資産を求める傾向があります。円は、国内外で安全資産と見なされ、円に資金が流入することが期待されました。
国際的な為替市場の動向:
為替相場は、国内の事象だけでなく、国際的な状況や他国の通貨の影響も受けます。2011年当時、世界的には金融危機の影響がまだ残り、円は他の通貨に対して強く推移していました。
これらの要因が重なり、通常の期待とは逆に円高の動きが見られたと考えられます。
11年で75円→150円に 震災後の円高から一変した日本経済
世界経済を揺るがしたリーマン・ショックが起きた08年当時、円は為替市場で「安全資産」と評価されていた。
日本が巨額の経常黒字を稼ぎ続けてきたことで、世界最大の対外債権国になり、国際的な円の信認が高まっていたからだ。
1ドル=110円だった円相場は「有事の円買い」で瞬く間に100円を割り込み、それ以降、円高傾向が続いた。
11年にはギリシャ発の欧州債務危機をきっかけに、円はさらに買われた。
東日本大震災後の「六重苦」
同年3月の東日本大震災後、日本は甚大な被害に見舞われたにもかかわらず、円高が進んだ。
経済的な影響が大きければ円安に動いてもおかしくないが、当時は、日本の保険会社が保険金の支払いに手元の円を増やすため、海外の資産を売って円買いを進めるのではないかという思惑もあり、円高につながった。
10月には1ドル=75円32銭の戦後最高値に達した。
以上の記事のように、
東日本大震災から、12年経過しその倍近い1ドル150円を突破していた時期があります。
そして、円安が進んだ理由は以下のようなことが考えられます。
金融政策:
中央銀行の金融政策は通貨の相場に大きな影響を与えます。日本では、日本銀行が長らくゼロ金利政策や量的緩和政策を取り入れており、これが円安の要因となっています。低金利政策は円の需給バランスを変化させ、海外からの投資を促進する可能性があります。
経済の成長とインフレーション目標:
通貨の価値はその国の経済の健全性と関連しています。日本は過去にデフレーションの懸念があり、それを打破すべくインフレーション目標を掲げるなどしています。通常、インフレーションの期待がある国の通貨は下落傾向にあります。
国際的な投資環境:
投資家のリスク選好や世界的な金融市場の状況が円相場に影響を与えます。リスクオンの状況では、円安傾向が強まることがあります。
外国為替介入:
一部の国は自国通貨を保護するために外国為替市場に介入することがあります。これにより、通貨の価値が一定水準に維持されることが期待されます。
貿易収支:
貿易収支の赤字が続くと、外国からの資金が必要となり、そのためには円が売られることがあります。日本の場合、一般には貿易収支が黒字ですが、金融の側面や他の経済指標も考慮されます。
今から150円を超える円安は起きるか不明ですが、確率は低いと私は個人的に思います。
大災害が起きても、東日本大震災と同じように企業や日本国の影響でむしろ円高に向かう前例もあります。
よほどのことがない限りは、戦争ばかりの国の通貨より、日本円は安全安心な通貨として、避難先になりそうな印象です。
ここで、マイナス金利解消などを打ち出してくると、円高になると思われます。
実際にマイナス金利解消を示唆したニュースが出た時には、1日で8円近くも円高に動きました。
マイナス金利を解消することは以下のような作用があります。
マイナス金利を解消(ゼロ金利にした場合)
金利の差の影響:
ゼロ金利政策の間は、他の国の金利が相対的に高い場合、投資家はその国の通貨に資金を移す傾向があります。逆に、自国の金利が上昇すると、その通貨が魅力的になり、資金が流入しやすくなります。
経済の健全性への期待:
中央銀行が金利を引き上げるという行動は、その国の経済が強くなりつつあるという市場の期待を反映するものです。投資家は経済の健全性に基づいて通貨を評価し、利上げは通貨の強さを象徴する場合があります。
投資のリスク回避:
高金利環境では、通貨への投資が安全な資産としてより魅力的になります。リスク回避の動きが強まると、投資家は安定している通貨に資金を移すことがあります
しかし、多くの企業はすでに大きな金額を借り入れをしていることもあり、過ぎに返せる状態ではない場合もあるでしょう。
そして、以下のような理由から、中央銀行の金利を上げるマイナス金利解消を行ってしまうと日本経済にダメージが入るような可能性も考えられます。
ゼロ金利へと利上げすることによる問題
金利負担の増加:
金利が引き上げられると、企業が持っている変動金利の借り入れの金利負担が増加します。これにより、企業の金利費用が増え、収益への圧力が生じる可能性があります。
再融資リスク:
金利が上昇すると、既存の低金利で借り入れていた企業は、新しい借り入れ時により高い金利で借り入れなければならないリスクがあります。これが再融資リスクと呼ばれ、資金調達コストの増加につながります。
資金調達難化:
金利が上昇すると、企業が新たな資金を調達する際にコストが上昇し、資金調達が難しくなる可能性があります。これは特に中小企業などが影響を受けやすい要因の一つです。
投資への影響:
金利が上昇すると、企業の投資意欲が抑制される可能性があります。高い金利はプロジェクトの収益性を低下させ、新規投資や設備更新に対する意欲を削減する可能性があります。
以上のことから、マイナス金利解消はすぐには起きないのだろうと思われます。
起きても、プラスになるのではなく、金利ゼロになるのかな、と個人的には思います。
金利ゼロラインにするのも様子を見ながらとなるのでしょう。
ただし、金利ゼロでも経済にダメージはあると思います。
間違えた舵きりをしてしまえば、日本経済が冷え込んでしまいます。
企業で働く人々だけでなく、ローンで多く借り入れている個人にまで影響があっては、経済の衰退しかねないかなと思われます。
ローン問題があっても、賃金上昇が大丈夫だろうと、企業の賃金上昇に力を入れるように企業に掛け合うのだろうとは思われます。
ただ、結果収益悪化による経営不振は想像しやすいのですが、どうなるでしょうね。
円高に進んだ場合の推定
146.15円で一括投資して年末に、1ドルが以下の金額に変化していた場合
1ドル | 100円 | 110円 | 120円 | 130円 | 140円 |
減少割合 | 0.315818 | 0.2474 | 0.178982 | 0.110564 | 0.042146 |
100円まで下がったら31%以上も円としては価値が下がってしまうことになります。
100万円投資していたら67万円になってしまいます。
10%ドルベースで成長していても、円に直せば752,651円と約75万円です。
そこまで下がるとも思えないですけど、損害が大きい方で見ていた方が、わかりやすいかなと思います。
もしも、1ドル75円級まで下がったら50%近く下がることになってしまいます。
運よく引き出すときに戻ればいいですけど、戻らなかったら結構な損失に感じます。
それは、逆も言えるのですけどね。
例えば、投資信託のベンチマークが10%上昇は年初にしか起きず、その後はほとんど成長せず、むしろ年末に向くにつれて円安に進んでいくとなると、結果論としては、むしろ月々投資するのは愚策となってしまいます。
ただ、確率的には、そんなことが起きるよりは、円高に進み、ドルベースの投資信託などは長い目で見ると成長し続けていると考える方があり得ると、私は個人的には思います。
結果
新NISA開始の2024年。
その1年間は少なくとも私は月々投資にしようと思っています。
ニュースをよく見ながら、変化の兆しを見て投資額を変えてもいいかなとも思っています。
あくまで私個人的な考えです。
投資は、自分の判断で行いましょう。